「両手にトカレフ」書評

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今日は久しぶりに書評でも書きます。

というのは、久しぶりに本を読み、感銘を受けたからです。

最近も例のごとく社畜生活を送り、気力もなく会社と家を往復。

週末の休日は、反動で、パン焼きとダンスのレッスンの為に身を捧げる。

冷静に、文化的に、本だとかに当たって知識と教養を深める余裕などないのでした。

そんな中、「両手にトカレフ」はブレイディ・みかこさんの最新にして初の長編小説ということで、書店に結構平積みになって売ってます。

こういう日が来るとは。。。

非常に感慨深い。

私が彼女を知ったのは、彼女のブログをたまたま知ったことから始まります。

随分と濃い内容のブログで、まず、感銘を受け、そして何故これほどの人が濃厚で素晴らしい内容の文章をブログで無料で垂れ流しているのだろうと不思議に思いました。

でも、やはり出るべくして出てきましたね。

彼女のトークイベント兼サイン会に行ったことがありますが、彼女の誰に対しても丁寧な人柄に、何やらホッとしたような、うれしかったような気がした覚えがあります。

主人公のミアと弟のチャーリーの母親はジャンキーで育児放棄状態です。

ミアとチャーリーは食事にも困ることがある、学校の制服も、小さくなってツンツルテンになっても買い替えられないので、そのことでイジメに会うこともある。

ソーシャル・ワーカーの支援で母親の状態がいくばくか良くなることもあるが、何度も形状記憶合金のように元に戻ってしまう。彼女の母親には根本的な回復への支援が必要なのであった。

ミアとチャーリは身を寄せ合って、時にはソーシャル・ワーカーや、幼馴染の友達の母親であるゾーイやボランティア団体の力を借りて生き抜いていくが、そこでも時に深い傷を負っていく。

ミアの日々で、ひょんなことから読み始めた図書館の本が、日本の大正期にアナキストとして実在した金子文子の少女時代の自伝。

金子文子の少女時代を劇中話として、ミアの生活と同時進行で書かれているのがブレイディさんらしいです。親から捨てられて戸籍も作ってもらえないまま、異国である朝鮮に渡り、大人の都合で、ロクでもない苦労を強いられる文子とミアを重ね合わせるといった手法です。

ブレイディさんは非常に熱い人だと思うのです。

インタビューで、目に見えない部分の貧困、現在やっと注目され始めたヤングケアラーについて、コラムとかエッセイとかではとても書ききれないので、小説として書きたかったと言ってらっしゃいました。

ネタバレになってしまいますが、小説中に書かれていて頭の血流がぶっ飛ぶほど感銘したくだりを紹介して、本ブログは終了したいと思います。

なんて稚拙な書評なのでしょう。

しょうがない。文化的な素養を培う余裕が残念ながら最近なかったので。

お粗末!!


~母や父や妹や弟、山梨の人々、これまで出会い、別れてきた人々が生きている世界がこの空の下にあった。ならば、まだ出会ったことのない人々もこの空の下に存在し、確かにこの瞬間を生きている。

(略)いま、この広い空の下には、私と同じように泣いている人たちだっているだろう。虐げられている人たちもいるだろう。私はその人たちに伝えなければならない。ここじゃない世界は今ここにあり、ここから広がっている。別の世界は存在する。~

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